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地産地消のススメ

かなさんの仲間通信~地産地消の輪

第23回 農業 石井 佑治さん

海外農業研修が農業の想いに火をつけた!

私は、相模原市緑区旧津久井町地区にある実家の農場で、養鶏(採卵鶏)が約3000羽、野菜は1.5haでキャベツ・ブロッコリー・レタスを中心として、他に季節野菜、津久井在来大豆・小麦1.5haを営んでいます。養鶏は、3代続いています。

石井佑治さんの農場

当農場の特長は、
1.鶏に収穫後農薬を使用していない餌であるホストハーベストフリーの餌を使い、添加物をできるだけ除き、安全性を重視した卵を生産・販売しています。お客さんから、「臭みがないたまごだね」、「旨みを感じる」などという意見をいただくと、つい嬉しくなってしまいます!

 


〔写真:キャベツ畑と収穫したキャベツ〕

2.鶏から排出される鶏糞を使って、野菜や穀物を栽培する循環型農業です!自分の農場から出る鶏糞を無駄なく畑に利用できるので、そこまで化学肥料に頼らなくても良く、環境にも良いのです。またこの鶏糞が農産物に甘さと旨さをもたらしてくれます。「たまごだけではなく、野菜も甘くて、おいしい」という声をいただくと、さらに励まされます。

 

さて、私が農業をやろうと決めたのは、海外農業研修がきっかけでした。
大学生の頃、海外で農業研修するプログラムがあるということを、海外農業研修を行った先輩から聞きました。それ以前から海外で生活したい想いもあり、アメリカへ農業研修に行きました。
アメリカでは、標高1600mもあるコロラド州のトウモロコシ、小麦、豆、牧草を栽培する農場で研修を行いました。その農場の栽培面積は約630haあり、作業はほとんど機械でした。
この研修を通して、今の日本の食は海外にこのような大規模農場があるから成り立っていることを感じました。もし、気象変動が起きたら、国際情勢が悪くなったら、日本は食べることが大変になってしまうのではないかと考えました。そのためにも、食べ物を作っていかなければならない、多くの人に食・農業のことを伝えていきたいと考え、農業を始めました。


〔写真:津久井在来大豆とその加工品〕

また、私の父は津久井在来大豆の普及活動を行っていたので、就農と同時に少しでもそれに携わりたいと考えていました。
津久井在来大豆は、旧津久井郡相模湖町千木良地区で栽培されていた大豆で、数十年まで栽培される量は少なかったものでした。しかし全糖質量が普通の大豆と比べ高く、コクがあり、味噌・納豆などの加工に合うことから、需要が増え、県内で栽培面積が増えてきました。

私の父は、数年前から津久井在来大豆を普及し、食・農業に関心を持ってもらうために、相模原市内の小学校や消費者に大豆栽培・味噌作り体験を行っています。
私も可能な限り、参加するようにしています。

この活動で、大豆を収穫したとき、小学生が虫による大豆の食害に気付き、原因の虫を畑で探していたことに、私は驚きました。食べ物を作ることが難しいことだと少しでも理解してくれたことが非常に嬉しかったです。
また、このような活動が長年重なり、父を始め、県内の他の農業者やそれに関わる行政や団体の協力があって、現在、津久井在来大豆が神奈川県の「かながわブランド」になり、知れ渡るようになったことが、わかりました。


〔写真:小学校の農園での大豆収穫〕

農業に関わって感じたことは、農業は命を育てることだと感じました。私たちは、農畜産物からいただいた命を食べて、生活をしています。したがって、農業は私たちに極めて重要なものであります。次世代が食育活動などを継続して、伝えていくことで、社会の農業離れや強い農業が築かれていくのだと信じ、これからも農業に取り組んでいきたいです。

執筆者プロフィール

石井佑治さんの写真

石井 佑治(いしい ゆうじ)

2010年3月大学卒業後、アメリカのコロラド州にあるトウモロコシ、小麦などの穀物を栽培する農場へ研修。帰国後2011年10月から実家で就農。年に数回茨城県へ研修に行く。

現在、父親の下で、相模原市内の小学校や消費者へ大豆栽培・食育活動に挑戦開始。

「信は力なり」をモットーに日々技術・能力の向上に励む。

(有)石井金原養鶏(養鶏の農場)、ねごやファーム(野菜、穀物の農場)にて活躍中。

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